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がん幹細胞のマーカー特定=新たな治療法開発に期待―京大
時事通信 12月3日(月)3時6分配信
がんの幹細胞だけに反応するマーカーを特定したと京都大大学院消化器内科学の千葉勉教授らの研究グループが発表した。
マーカーが発現した細胞を除去して も正常組織への副作用はなく、新たな治療法が期待できるという。
論文は2日、英科学誌ネイチャー・ジェネティクス(電子版)に掲載された。
がんの治療には、がん細胞をつくる幹細胞を根絶する必要がある。
しかし、これまでのがん幹細胞のマーカーは、正常な細胞の幹細胞にも発現し、がん幹細胞との区別ができなかった。
研究グループは、消化管幹細胞マーカーの候補遺伝子として知られていた「Dclk1」に注目。
マウスの腸でDclk1を識別できるよう操作した結果、正
常な腸ではごく少数でやがて消滅したが、がんの幹細胞があるとみられる腫瘍のある腸では、Dclk1が増え続けることを突き止めた。
Dclk1が発現している細胞だけを排除する遺伝子操作をしても、正常組織への影響はなく、腫瘍の大きさは5分の1に縮小した。
千葉教授は「がんの幹細胞を標的とした治療法を開発する上でこれまで大きな障害だった問題を一挙に解決する可能性がある」と話している。
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